再就職手当はいつもらえる?〜条件・金額・必要書類・申請方法〜

今回は、「再就職手当はいつもらえる?〜条件・金額・必要書類・申請方法〜」について解説いたします。

この記事は10分で読めます。

失業保険の受給中に就職が決まったらどうすればいいの?
就職すると失業保険をもらえなくなるから損する?

この記事では、就職が決まったときにもらえる再就職手当について紹介いたします。

記事を読むメリット

再就職手当の条件や手続きの方法がわかる

結論、失業保険の給付日数の3分の1以上を残して再就職した場合は、申請により「再就職手当」を受け取ることができます。

失業保険の給付は終わりますが、再就職先の給料に加えて再就職手当も受給できるので、結果として失業保険を最後までもらうより得をします。

再就職が決まったら手当を受け取れるように、条件や手続きの方法を見ていきましょう。

記事の内容

就職が決まったときの手続き
再就職手当について(受給条件・受給金額・手続き方法)
失業保険と再就職手当はどちらが得か?

このブログでは、雇用保険制度内の「失業等給付」のうち、「求職者給付」として一般被保険者が受け取る「基本手当」(いわゆる失業手当)のことを、一般的にイメージできるように「失業保険」と呼んでいます。

就職が決まったときの手続き

就職が決まったときは、まずはハローワークに連絡を入れましょう。

すると、ハローワークより、就職する前日に来所して就職の届け出と失業の認定を受けるよう指示があります。
失業認定日が就職日の前日に設定されることで、失業保険は就職日の前日まで支給されます。

認定日が就職日より後に設定されている場合は、就職日の前日にハローワークに行き、失業認定を受けます。

認定日が就職日より前に設定されている場合は、予定通り認定日にハローワークに行き、失業認定を受けます。

就職の届け出に必要な書類は、以下の通りです。

必要書類

・雇用保険受給資格者証
・失業認定申告書
・採用証明書

失業認定申告書

「今、公共職業安定所又は地方運輸局から自分に適した仕事が紹介されれば、すぐに応じられますか。」の欄は、(イ)の「応じられない」に◯を付け、その理由として(ウ)の「就職したため又は就職予定があるため」に◯を付けましょう。

応じられるか
応じられない理由

採用証明書

本人記入欄と事業主記入欄がありますので、事業主記入欄を就職先の会社に依頼し記入してもらいます。
採用証明書は「雇用保険受給資格者のしおり」に付属しています。

もし紛失してしまった場合は、ハローワークから受け取るか、インターネットからダウンロードしましょう。

参考1:厚生労働省「採用証明書」
参考2:厚生労働省「採用証明書」

就職の届け出をした際に、再就職手当の支給条件に該当すると判断されれば、「再就職手当支給申請書」が渡され、再就職手当の申請が可能になります。

では、どういった場合に再就職手当を受け取ることができるのでしょうか?
ここからは、再就職手当について見ていきましょう。

再就職手当について

再就職手当とは、失業保険の給付日数の3分の1以上を残して再就職した場合に受け取ることができる手当のことです。

所定給付日数が3分の1以上残っている場合は失業保険の60%、3分の2以上残っている場合は失業保険の70%を手当として受給できます。

受給条件

再就職手当を受け取るには、一定の条件を満たす必要があります。

再就職手当の受給条件は、以下の通りです。

再就職手当の受給条件

・受給手続き後、7日間の待期期間満了日後の就職であること
・就職日の前日までの失業の認定を受けたうえで、失業保険の支給残日数が3分の1以上あること
・離職した前の会社に再び就職したものでないこと
・給付制限がある場合は、待期満了後1か月間は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること
・1年を超えて勤務することが確実であること
・原則として、雇用保険の被保険者になっていること
・過去3年以内に、再就職手当または常用就職支度手当を受給していないこと
・受給資格決定(求職申込み)前から採用が決まっていた会社に就職したものでないこと

参考:厚生労働省「再就職手当のご案内」

ハローワークや職業紹介事業者(転職エージェント等)の紹介経由で就職した場合のことをいいます。
したがって、求人情報を見て、自分で応募して就職した場合は条件にあてはまりません。

以下の要件を満たす場合のことをいいます。

・1週間の所定労働時間が20時間以上あること
・31日以上引き続き雇用される見込みがあること

受給金額

再就職手当で受給できる金額は、以下の計算式で求めることができます。

計算式

再就職手当の金額=基本手当日額×支給残日数×支給率

基本手当日額

基本手当日額とは、1日あたりの失業保険の受給額のことです。
(基本手当日額=賃金日額(離職直前6か月の賃金の合計÷180)×50〜80%(45〜80%))

基本手当日額は、雇用保険受給資格者証の表面に記載されています。

基本手当日額

また、再就職手当を算出する際の基本手当日額には上限があります。(毎年8月1日に改定)

・離職時の年齢が60歳未満の場合…6,290円
・離職時の年齢が60歳以上65歳未満の場合…5,085円
参考:雇用保険の基本手当日額が変更になります~令和5 年8 月 1 日から~ | 厚生労働省

支給残日数

支給残日数とは、所定給付日数から失業保険を受給した日数を差し引いた日数のことです。
(支給残日数=所定給付日数-失業保険の受給日数)

支給残日数は、失業認定日を受けるたびに雇用保険受給資格者証の裏面に記載されます。

支給残日数

また、支給残日数が、就職日から受給期間満了年月日までの日数を超える場合は、就職日から受給期間満了年月日までの日数が支給残日数となります。

支給率

支給率は、所定給付日数の支給残日数に応じ、60%もしくは70%となります。

所定給付日数が3分の1以上残っている場合は60%、3分の2以上残っている場合は70%が掛け合わされます。

所定給付日数と支給残日数に応じた支給率は、以下の通りです。

所定給付日数支給残日数(支給率60%)支給残日数(支給率70%)
90日30日以上60日以上
120日40日以上80日以上
150日50日以上100日以上
180日60日以上120日以上
210日70日以上140日以上
240日80日以上160日以上
270日90日以上180日以上
300日100日以上200日以上
330日110日以上220日以上
360日120日以上240日以上

再就職手当は、早期の再就職を促進する制度のため、早く就職すれば給付率が高くなるように設定されています。

受給金額の計算例を見てみましょう。

例1:基本手当日額4,000円、所定給付日数90日の方が、支給残日数60日で就職した場合(支給率70%)

支給率70%

受給金額は、4,000円×60日×70%=168,000円となります。

例2:基本手当日額4,000円、所定給付日数90日の方が、支給残日数59日で就職した場合(支給率60%)

支給率60%

受給金額は、4,000円×59日×60%=141,600円となります。

再就職手当を気にして就職日を調整するのは好ましくありませんが、早く就職すればその分多くの手当を受け取れる可能性があることは頭に入れておきましょう。

手続き方法

再就職手当の手続き方法を見ていきます。

手続きに必要な書類は、以下の通りです。

必要書類

・再就職手当支給申請書
・雇用保険受給資格者証
・その他、ハローワークが求める書類があれば

再就職手当支給申請書は、ハローワークで就職の届け出を行った後に渡されます。

インターネットからダウンロードも可能です。

参考:ハローワーク「再就職手当支給申請書」

本人記入欄と事業主記入欄がありますので、事業主記入欄を就職先の会社に依頼し記入してもらいます。

提出は、郵送や電子申請も可能です。
電子申請の場合は、ハローワークに問い合わせをしてから行いましょう。

なお、手続きの申請期限は、就職の翌日から1か月以内です。
入社後はバタバタすると思いますが、早めに記入し、余裕をもった提出を心がけましょう。

提出後、おおよそ1か月後に「就業促進手当支給決定通知書」が届きます。

通知書が届いてから、おおよそ1週間で指定の金融機関の口座に再就職手当が振り込まれます。

失業保険と再就職手当はどちらが得か?

失業保険と再就職手当は、どちらをもらうほうがお得なのでしょうか?

ここでは、以下のモデルケースをもとに、受給期間満了までの間で受け取れる金額を比較してみましょう。

モデルケース

基本手当4,000円、所定給付日数90日の方が、支給残日数60日で、手取り給料15万円の会社に就職した場合

ケース1:就職し、再就職手当を受け取った場合

再就職手当の金額は、4,000円×60日×70%=168,000円
給料は、15万円×2か月=300,000円
合計金額は、168,000円+300,000円=468,000円となります。

ケース2:就職せず、失業保険を受け取り続けた場合

失業保険の受給金額は、4,000円×60日=240,000円となります。

比較からわかるように、就職して再就職手当をもらったほうが金銭的には得をします。
こうして見ると、いかに就職による収入が大きいかわかりますよね。

しかし、会社選びに焦りは禁物です。
焦って会社を探してしまうと、合わなかった場合に、再離職につながりかねません。

そこで、ひとりで仕事先を探すのもよいですが、さきに就職のプロに相談だけでもしてみることをおすすめします

就職のプロへの相談は、転職エージェントがおすすめです。

就職について気軽に相談できるうえ、ハローワークには載っていないような非公開の求人を紹介してくれる可能性もあります。

思わぬ求人が見つかり、プロのサポートを受けながら、トントン拍子で就職が決まるかもしれません。

転職エージェントは無料で登録できますので、失業保険をもらいながら、まずは相談からはじめてみてはいかがでしょうか。

ちなみに、おすすめの転職エージェントは、リクルートエージェントdodaです。

どちらも国内最大級の職業紹介事業者なので、手厚いサポートが受けられますよ。

私も実際に転職エージェントを利用し、就職いたしました。

以下で各サイトの登録方法も解説しておりますので、よろしければご覧ください。

リクルートエージェント登録方法
dodaの登録方法

まとめ

今回は、就職が決まったときにもらえる再就職手当について解説いたしました。

紹介した記事の内容

就職が決まったときの手続き
再就職手当について(受給条件・受給金額・手続き方法)
失業保険と再就職手当はどちらが得か?

再就職手当をもらった後に、再就職先での賃金が離職前の賃金よりも低い場合は、「就業促進定着手当」という給付を受け取れる制度もあります。

参考:ハローワーク「再就職後の賃金が、離職前の賃金より低い場合には、「就業促進定着手当」が受けられます」

6か月以上雇用が継続でき、賃金が前の会社よりも低い場合は、制度を利用してみてください。

あなたが納得できる会社に就職して、安定して働けるようになることを心より願っております。

再就職手当の武器を手に入れた!

これで無職に必要な武器がすべて揃いました。
武器を手に、ぜひ失業保険を受け取って再就職につなげてください。

あなたがお金の心配をせず、楽しく生活できることを心より応援しております!

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